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IXYの有効画素数の謎 [Camera]

田中氏のPhoto of the DayデジカメWatch(折本幸治記)にIXYの画素数の謎についての記載があった.たまたまなのか,一方の記事を見て自分の原稿にも書き込んだのか知らないが,ほぼ同時期に同じ内容の記事が載ったことになる.(他記事に影響され記載したとしても事実関係を述べたまでなので盗作ではないし,どうでもいいのだが…)

内容は今回発表のCanon IXY1/3では1/2.3型1680万画素のセンサーを搭載しているが,有効画素数はたったの1010万画素しかない.残りの670万画素はどこへ行ったのだろうか.メーカーからの正式発表ではなく両氏の推測のようであるが,カメラ小型化でレンズも小型化したため搭載レンズのイメージサークルは小さくなってしまった.しかしちょうどいいサイズの適当なセンサーがなく,かといって新たに開発するのも費用がかかる.そこでやや大きめの1/2.3型センサーを搭載し,中央部分のみ使用したというものだ.有効画素数で1000万画素以上あるので十分だ.まさに大は小を兼ねるだ.

Canonの対応は理にかなっているように感じる.新規開発や生産ラインの変更等にかかる費用を考えれば,安価で調達できる高性能センサーがあれば,周辺部分の画素を捨ててでも,やや大きめのセンサーを搭載した方がいい.

ただ気になる点はスペック上の記載だ.最近新規にデジ一眼に参入する人が増え,カメラ雑誌やムック本などに「カメラの性能はセンサー画素数ではなく,センサーサイズによるので大きめのセンサーを選ぶべきだ」と紹介されることが多くなった.ここで言うセンサーサイズはもちろん有効画素部分の大きさである.実際は有効画素部分とセンサー自体の大きさはほとんど同じなため,センサー自体のサイズで判断してきた.しかし今回のIXY方式が広まり,有効画素数とセンサー自体のサイズ(総画素数)に乖離が大きくなると判断しづらくなるのではないか.(まあ今回のIXYでは極端に違うわけではなく目くじらを立てるほどではないが.)

極端なことをいえば,超高性能で安価な35mmフルサイズのセンサーが誕生したが,その外販メーカーはフルサイズしか製造しない.しかたなくカメラメーカーはフルサイズセンサーと搭載して実際の有効画素部分はAPS-Cサイズとしたり,フォーサーズサイズとするようなことが出てくるかもしれない.カタログスペック上ではセンサーサイズはフルサイズと記載される?フルサイズセンサーのマイクロフォーサーズカメラも実現する?わけがわかんなくなってくる.

上記は極端にしても,メーカーは利益のでないコンデジから高性能コンデジやデジ一眼に注力していく傾向にあり,センサー開発も大きめのセンサーが中心となるだろうか?そうならば安価なコンパクトデジカメでは今回のIXY方式が広まっていくのではないか.将来はAPS-Cサイズのセンサーを搭載しながら小型軽量のため実際の有効画素部分は15mm四方前後のカメラ(Canon PowerShot G1 Xクラス)がでてきてもおかしくはないだろう.(個人的には以前からAPS-Cセンサーを搭載したマイクロフォーサーズ機も現実的な範囲でありと思っている.もちろん有効画素範囲は17×13mm.)

スペック記載には多分業界の統一した記載ルールがあり,メーカーが勝手に変更はできないと思う.(確かSIGMAのFoveonセンサーの有効画素数の記載にも違和感を感じたが業界ルールなので仕方がないとメーカースタッフが言っていた記憶がある.)センサーサイズについては現行ではセンサー自体のサイズを記載しているが,ぜひ有効画素部分の大きさも記載するようにすべきではないかと思う.

タグ:Canon
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