トキ vs テン

トキがテンに襲われ9羽が死んだ．

ゲージが隙間だらけであったのが問題．要するに人間側の落ち度．

ところが話しはテンの駆除へと問題のすり替えのような様相を呈しているらしい．

  

絶滅危惧種のトキは大切かもしれないが，テンがトキを襲ったのは自然なこと．食物連鎖だ．しかし一部ではトキの保護のため，放鳥したトキのためテンを駆除せよといった声があるらしい．

佐渡では元々テンはいなかったそうだ．約50年前ノウサギ駆除の目的で本州から持ち込まれたらしい．（ハブ駆除目的で持ち込まれたマングースがヤンバルクイナを捕食してしまうのとにている．）佐渡からみればテンは「外来種」，駆除せよということらしい．

しかしすでに50年たっており，もう佐渡の生態系の一部になったテンを駆除すれば生態系の崩壊につながるとの意見もある．

確かにトキは絶滅危惧種ではあるが，そのためテンを駆除するというのは乱暴だ．トキの命とテンの命にはかわりはないはず．テンが悪いわけではない．もちろんテンが増えすぎ新たな生態系の崩壊が危惧されるのであれば捕獲し頭数を調節する必要があろう．そういった調査もせず単に貴重なトキを食べるのはけしからんと駆除するのには賛成できない．

今回の事故はゲージの対策をとれば大丈夫かもしれないが放鳥したトキはどうなるか．

放鳥プログラムには天敵からの逃避する訓練もあるらしい．放鳥したトキがテンに捕まってしまうのは，そのトキが自然で生きていく能力がなかったからで，そのような事態が発生した場合，放鳥プログラムの見直しが必要ということだ．テンを駆除しても本州に渡るトキもいるわけだし，佐渡のテンを駆除しても問題解決にはならない．

元々ゲージの隙間対策をとらなかった人間の怠慢が問題であったはず．責任転嫁だ．

（テン駆除を主張しているのは佐渡のテンの生態に詳しく方で以前自宅のヒヨコ18羽テンに襲われたことがあるそうだ．ヒヨコの復讐かよ．）